ミレーナ・プレブス
08-08-2008 00:00:00
優れたダンサー・振付師である彼女が現代のタンゴ・シーンを分析し、その硬直化を避けるためタンゴ・ダンスの新しい可能性を開拓する必要性について語る。
「タンゴ・ダンスが発展し続け、生き生きと維持されるのはいいことだわ。フォームが硬直化しないためにもね」...ダンサーとして、振付師として、そしてまた質の高い観察者としてミレーナ・プレブスMilena Plebsはタンゴを盛り上げ変えていこうとしてこのように語る。
彼女の視点は1997年、「タンゴ・ポル・ドス」Tango x 2カンパニーの立ち上げから共演しているミゲル・アンヘル・ソトMiguel Angel Zottoと共に、タンゴ・ダンス・ショウの偉大な改革者として認められる中で高く評価されている。
問:どんな経路によってタンゴ・ダンスの発展は可能になると思いますか?
-私は、私自身がそれをいかに行うか、また私が書くものを通じて他人がそれを行うのに好都合になる方法をいつも考えているの。タンゴが発展し続けるように、新しいフォームがあらわれるように...これは単なる気まぐれな希望ではないの。ありがちなのは、何か新しいものがあらわれた時、すぐそれが硬直化して同じ流れを繰り返すクローンが見られるようになり、ペアからペアへ模倣され、時には違う音楽で同じフォームが使われたりする。だからこそ私は即興というテーマに特に関心があるの。
問:どんなやり方がいいかわかりましたか?
-その時にだけ出来る即興が持つ価値を、そしてそこからどんな新しいフォームが現れうるか評価すること。
問:ミロンガ(ダンスホール)に見られるタンゴとステージでのタンゴについて、それぞれどういう見識をお持ちですか? 話してもしょうがないと思うので、タンゲリーア(編注:直訳だと「タンゴハウス」。外国人観光客用のタンゴショウを見せる店のこと)でのダンスは除いておきましょう。
-いわゆるコンクールも除外した方がいいわね。第一に、ダンス教師たちはダンスのそれぞれの瞬間を開いていく多くの可能性の研究にもっと多くの時間と手間をかけるべきね。タンゴは、さまざまな方法でコンビネーション出来る一定の要素や一定のステップによって構成されています。生徒たち、ひいては一般のダンサー全員に、各ステップの最後では、さまざまな可能性を開いたままに出来るよう教えなくてはいけないわ。そういう教え方をしている人もいるけど、とても少ないわ。
問:で、そうした無数のコンビネーションこそがあなたの提案が目指すものだと?
-普通は一連の動き(シークエンス)をブロックで教えるので、後でそれを壊すのが大変なの。ミロンガでもステージでも、一度その動きを始めると、シークエンスが終わるまで止まることが出来ないダンサーたちがたくさんいるわ。そうした一連の動きは、例えば10のステップから構成されていて、それぞれのステップは、おそらく2、3の異なる選択肢をもって断ち切ることが可能なのです。先生が与えてくれるものやビデオをコピーする消極的な姿勢ではなく、タンゴ・ダンスの学習では、もっとアクティヴな姿勢で取り組むべきよ。即興は連続する現在であり、そこにはもう振り付けが行われているのです。
問:最後の部分をもう少し噛み砕くと?
振り付けとは、練習場でペアの相手とステップを試しながら出来た瞬間にできあがる「いま」そのものなのです。それが固まって繰り返すようになったら、もう「いま」ではなく、過去のものよ。
問:ということは、ステージにも何らかの形で即興を持ち込むことが可能だし、必要だとお考えですか?
-今のところ、答えはないわね。ただ言えるのは私が考えることだけ。あとは皆さんに考えてもらいましょう。私がはっきり言えるのは、振り付けを考案するダンサーたちは、自分の作り出したものが自動的なもの、固定的なもの、つまり退屈に見えないように特別な工夫をすべきだわ。そうならないためには、男性がステージで動きを刻み続けるリードを守ること。そこから生まれるダイナミズムは全く別ものよ。振り付けされたものと即興で踊ることの間に大きな違いがないような形を探す、ということだと思うわ。私は、振り付けを捨てろと言うのではなく、即興のダンスにある新鮮さと構成された感じを振りつけの中に保つべきだという意味よ。
問:ダンス・ショウのコンセプトに関して、最近何か面白いものをご覧になりましたか?
-私はナタリア・ガメスNatalia Gamesとガブリエル・アンヒオGabriel Angióのショウの一部が気に入ったわ。それはタンゴとヒップホップが真に融合出来ていて、こういうことはいつも出来ることではないし、もっと探索されるべき道だと思うわ。2006年のカンバラーチェ・フェスティバルで、たしかスウェーデン人の女性だったと思ったけど、彼女とエセキエル・ファルファロEzequiel Farfaroが彼女のアイデアに基づいて踊った作品が面白かったわ。出発点は、タンゴがコンテンポラリー・ダンスや劇場ダンスとの出会いだったわ。そこでタンゴの組み手に新しい意味を与えることに成功した瞬間があったわ。そこに私は組み手を解くということも含めた、開拓すべき多くのことがあるように思えたわ。